Q&A

低血糖症に関する基本的な質問

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低血糖症とはどのような病気ですか。
血液中のブドウ糖の濃度が急に低下したり、低いままの状態で留まったりする病気です。

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ブドウ糖とは何ですか
食物の3大栄養素の一つ、炭水化物が分解された最小の分子です。単糖であり、分子構造が一つで、十二指腸から吸収されます。血液に入ると血糖(ブドウ糖が99%以上を占めます。)となり、主に全身の身体の細胞のエネルギー源となります。ブドウ糖など単糖は、ごく一部が舌の静脈からも直接吸収されます。

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単糖には何がありますか。
ブドウ糖、果糖(フルクトース)、乳糖(ガラクトース)などがあります。

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血糖値とは何ですか。
血液中の糖の値です。99%以上がブドウ糖で占められます。その他、果糖、乳糖などがありますが、やがては肝臓で代謝され、ブドウ糖となります。

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同化とは何ですか。
身体の外から取り入れたものを身体の材料に作り替えることを言います。   たとえば食べたコレステロールを細胞膜として使ったり、タン白質をアミノ酸にまで分解して、DNAとして使ったりします。

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異化とは何ですか
同化されたものを分解し、エネルギーとして消費する事を言います。例えば、炭水化物はブドウ糖に、タン白質はアミノ酸に、中性脂肪は、脂肪酸とグリセロールに分解されて、それら全てがアセチルCoAとなり、クエン酸回路を回ってATP(エネルギー)として蓄えられます。体内のブドウ糖が低下した時には、アミノ酸や脂肪がエネルギーの材料に変えられる反応が進んでエネルギーを補い、これらは、相互作用により、エネルギーの補給をしています。

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血糖値の正常範囲はどの位ですか。
空腹時では、70~110、食後では160以内が正常範囲です。75以下、140以上は注意が必要です。特に空腹時で105以上の方の多くが境界型糖尿病にかかっています。食後2時間で140以上の時には、耐糖能異常を疑って経過を見ていって下さい。

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耐糖能異常とは何ですか。
それは、血糖の調節能力に異常をきたした状態を言います。ブドウ糖は身体が細胞の働きを維持するため大切な資源ですから一定の範囲の濃度に維持されるよう調節されています。それが何らかの原因で高くなったり、低くなったりします。糖尿病や低血糖症は、それが原因で起こる病気です。

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血糖の役割を教えて下さい。
血糖の役割は身体全体の細胞にエネルギーを提供する事です。身体には約6兆個の細胞があります。これら一つ一つの細胞が、生命活動を行う為にはエネルギーが必要です。エネルギーはブドウ糖が燃焼することにより作られます。ブドウ糖が細胞に取り込まれてから、解糖作用を受け、ビタミンB1の助けを得て、エネルギーを産生するミトコンドリアに入り、クエン酸回路(TCAサイクル)を通過してエネルギー(ATP)となります。この際、酵素(触媒)を助ける役割をする(補酵素)のが、ビタミンB群です。この反応が進む為には酸素(鉄)も重要です。

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酵素とは何ですか。
エネルギーを使わずに、体の中の物質の何千倍もの物質を分解したり合成したりするのを促す(触媒する)タン白質(或いはタン白質+有機化合物)を酵素といいます。酵素は体内に約300種類存在し、その種類と量は臓器によって異なります。タン白質から亜鉛が介在して作られます。

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補酵素とは何ですか。
酵素は単独ではその働きをすることができません。必ず補酵素(助酵素)と結びついてその働きをします。補酵素の代表的なものはビタミンB群で作られます。補酵素には次のような特徴があります。   1:補酵素だけでは、酵素としての働きはない。   2:補酵素は酵素のタン白質部分と弱い力で結合しているので、結合したり、離れたりすることができる。   3:酵素と補酵素とが結合した形でのみ、酵素活性がある。

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食物繊維とは何ですか。
栄養素のなかで吸収されない繊維成分をいいます。毎年、日本人の摂取量が減少する傾向がありますが、1日20~25gは必要です。野菜、果物に含まれる粘りのある成分(水溶性食物繊維)とふすま、米ぬかなどに含まれる成分(非水溶性食物繊維)に区別します。前者は、小腸での食物の吸収をゆっくりなものとし、糖尿病や低血糖症に有効であるとともに、コレステロールから胆汁酸をつくるのを促進しますのでコレステロールを低下させます。後者は、水分や有害物質を吸着し便秘や大腸がん予防に役立ちます。

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ビタミン依存の体質とはどういう意味ですか。
酵素と基質との親和性には個人差があり、ライナス・ポーリングはこれを「個体差」と呼びました。酵素が働くために必要なビタミンの量には、固体差により1:20にも及ぶことがあると解明しました。このようなビタミンを多く必要とする体質をビタミン依存の体質と呼びます。

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基質とは何ですか。
基質とは、酵素の作用を受ける物質をいいます。

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